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先生…お願い。早く治して・・・

第92章 すれ違う2人…。そして始まる伸先生の治療①




綾の泣きじゃくる弱々しい声だけが響き渡る…


司馬「なぁ〜綾。」


この空気を切り裂いたのは司馬だった



司馬「お前が今、とてつもなくキツイ状況にあるのは分かってる…出来る事ならここで治療を止めてやりたい。今ここにいる全員がきっとそう思ってる。」



綾『んッッ…ック…だったら…だったら…ッ』



司馬「でもここで止めたら、多分炎症は治まらない…。そしたら、また明日か明後日には同じ治療をしなきゃいけない。そうだろ?伸!」



伸「そうだね…。。」



綾『そんなのヤダーー!!こんな治療もう絶対やらない!!ッ…ック…ヒッ…ック…こんな痛いのもうやだぁ〜!やんない!もうやんない!!!』




司馬「だろ?でも、あと1本打てば、少なくとも今日みたいな辛い治療だけは避けられる。」



綾『…でも…っ…いた…すぎてっ…怖い…ック…がまんっ…できないっ…っ…んん…っ…』




司馬「それじゃぁ〜このまま逃げて、また石川に負担かけるのか?お前は…」



石川「おいっ…!!」




司馬「なぁ〜綾。お前治療前に言ってたよな…。石川は治療の時だけ…治療が必要な時だけ、優しい言葉掛けて治療やらせる為にだけ来るとかなんとか…」




石川「おいっ!司馬!何言ってんだよ!」


司馬はお構いなしに、綾に詰め寄る



司馬「お前が好きになった男が本当にそんな奴だと思ってるのか?お前はこいつの何処を見てんだよ!!こいつはな、この大病院の院長だぞ?俺たちなんかより断然仕事も多い。一日中、朝から晩まで飲まず食わずで働いて、ようやく一息付いてここに顔を出すのはいつも22時を過ぎる。」



石川「司馬っ!!」

石川は司馬の胸ぐらを掴む…


司馬「うるさい、お前は黙ってろ!」

掴まれた胸ぐらから腕をどかし、泣きじゃくる綾に詰めよる




司馬「こいつはな、そんなフラフラな身体でも、お前の顔を見たくて必ずここに見に来ては30分、1時間と側にいて、また夜中まで仕事して…。朝も少しでも多く寝ればいいものを、5時には起きて仕事ギリギリまで、寝てるお前の側にいるんだぞ…?」



石川「司馬!!もうやめろ!」




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