
先生…お願い。早く治して・・・
第92章 すれ違う2人…。そして始まる伸先生の治療①
司馬「こうやって側にいるのだって、伸が呼んだから簡単に来たんじゃない。石川はお前の主治医だぞ!お前の身体の事は誰よりも分かってるし、誰よりも心配してる。だから、今日あたり治療になるだろうと予測して、お前に付いていてやる為に、こいつが睡眠を削り出して作った時間だ。だから今こうして、ここにいるんだぞ。」
綾『んっ…っ…っく……』
司馬「ここにいる誰よりも心配して、お前に会いに来て、側にいたのはコイツだ!」
綾『…んっ…ッ…ん…せんせ…ごめんなさい…』
石川「綾、、、良いんだ!!!お前はそんなの気にする必要はないの。綾は不安の中、一人でずっとずっと頑張って来たんだから…。先生、寝てる時じゃなくて、綾が起きてる時に少しでも来るべきだった…。綾を不安にさせた先生が悪い。」
石川は涙をこぼす綾の頬を手で拭いながら優しく微笑む
司馬「いいか、綾…。今お前が目の前の治療から逃げたら、大変なのはお前だけじゃない…。石川は文句一つも言わずに、また寝ずにお前の看病をする。そして、また治療の為に更に睡眠削ってお前に付いていてやろうとするだろうな。」
綾『…んっ…ック…ん…っ…っ』
石川「司馬っ!もういいって!俺は良いんだ。これ以上綾を傷つけないでくれ。頼むから追い詰めるな!」
司馬「石川はこうまでしてお前を守りたいと強く思ってるのに、お前は治療から逃げて、こいつの身体を壊す程、追い込みたいのか?」
綾は泣きながら首を横に振る…
司馬「綾!!自分の為に頑張れないなら、こいつの為に頑張ったらどうなんだ?」
昔からそうだった…
私が体調を崩し治療が必要になると、忙しい合間を縫って息を切らしながら病室に来てくれたり、出張先から急いで夜中に帰って来てくれたり…
分かっていたつもりだったけど
自分の事ばかりで、
先生の大変さなんて、全く知らなかったし
どれだけ頑張ってくれてたのかなんて
考えてなかった…
それなのに私は、私は、、先生にあんな酷い事を…
酷い事を言ったのに、先生は優しくて
私の事を少しも責めようともしない…
むしろ今も私を守ろうとしてくれてる……
