
先生…お願い。早く治して・・・
第93章 溺愛な石川先生と伸先生の治療②
宮田「あの…それで、原因は?」
司馬「脇のリンパ節から数センチ腕側の所が炎症を起こしていて、それが原因で、胸や腹部に強い炎症反応を起こさせていたらしい。」
宮田「そうなんですか…。それで、、あの…もう大丈夫なんでしょうか?」
伸「今日の治療で根元部分は麻酔掛けてしっかり処置したし、これ以上悪くなる事はないよ。綾ちゃん相当頑張ってくれたからね。」
宮田はICUにいる綾の方に視線を向けた
そこには石川に後ろから抱き抱えられ、泣きじゃくりながら胸に何かを押し当てている石川の腕にしがみ付いている様に見えた
宮田は、そんな綾を心配そうに見つめていた
宮田「あの、もう治療は終わったんですよね?」
いつも治療が終わったら疲れて寝てしまうのに、今日のお嬢様は様子が違う。。
伸「うん。終わったよ。終わったけど、俺の治療は終わってからもちょっとね…」
司馬「炎症の酷い所に、10ヶ所以上もピンポイントで注射打ってるから、それだけでも相当痛いが、今度はそれが中で反応してる。だから打った後の今も相当痛いはずだ…。」
宮田「…10ヶ所以上…ですか…?」
伸「あぁ。痛み止め入れてあげたい所だけど、それは最終手段。だから注射を打った所を保冷剤で兄貴が冷やしてる。けど、どうかな…、、あの様子だと冷やしてもあんまり効果ないかな…」
あんなに注射嫌いのお嬢様が、そんな注射を…
俺のいない所であんなになるまで、泣いて頑張っていたと思うと居た堪れない。。
宮田「私がいない間に…。」
高梨「院長に任せていれば大丈夫。今は宮田君、顔を合わせない方が良いよ。」
司馬「高の言う通りだ。アイツがいれば綾は大丈夫だ。」
宮田はミラー越しに綾を見つめた
石川先生は、本当にお嬢様を大切にしてくださってる。
それは一目で分かる
みんなが言う通りだ
宮田「お嬢様を宜しくお願いします。」
宮田はみんなにお頭を下げた
伸「大丈夫。1番きつい所はもう乗り越えた。直ぐ元気になるよ!」
宮田「はい。」
ニコッと微笑んだ。
宮田「では、私はお嬢様に会わず帰ります。石川先生にも宜しくお伝えください。」
宮田はミラー越しの石川に一礼し、帰っていった。
