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先生…お願い。早く治して・・・

第94章 伸先生の再治療



綾の治療に大きく時間を割いた石川は、やはり時間に追われ日中は顔を出す事が出来なかった。


綾の所に行けるのはやはり夜中や朝方…
またもやすれ違いの生活ではあるが、今回は、綾も俺の事情を知った為、不安になる事も無かった。


会えないけど、その代わり、いつも先生は一言、小さな紙にメッセージを残してくれる。
朝起きた時、毎日枕元に置かれたそれがとても嬉しかった。



“来週の週末はきっと特別な日になる。その日の為に頑張ろうな。”



この日の朝の回診は、相良先生だった

相良「おはよう。調子はどお?」


綾「おはようございます。昨日よりも良いかな。」


相良「それは良かった!」

先生はニコッと笑った

相良「お!今日もメッセージカード?来週か!綾ちゃんも出れるといいね」



綾『何かあるんですか?』



相良「この病院の創立50周年記念パーティーだよ!今回は大々的にやる予定だから、その準備も重なって院長はいつも以上に忙しいだろうな!」



綾『そうなんだ…。でも私はただの患者だし、私なんか行っても邪魔だし。場違いというか…。』



相良「そんな事ないよ!!綾ちゃん来るの楽しみにしてるみたいだよ〜院長は!」



そうなのかな…


相良「よし、診察しよっか。」



そしていつもの診察が行われた…



相良「やっぱり、腕とリンパ部分は少し炎症が残ってるようだね…。夜は伸先生来るから、その時にもう一度ちゃんと診てもらおう」



綾『……。先生、…また注射するの?』


さっきまで嬉しそうだった顔が一変し、泣きそうな表情になる


相良「どうかな…?でも、前みたいに酷い炎症じゃないし、かなり良くなってはいるから、この間みたいな事にはならないと思うよ。」



一抹の不安を残し、朝の回診は終わった





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