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先生…お願い。早く治して・・・

第94章 伸先生の再治療




そしてあっという間に夕方になり、回診の時間となった

来たのは伸先生と司馬先生だった



先日の件もあり、過度に伸を怖がる可能性があった為、司馬先生が付いて来たのだ


司馬は特に何もせず、ただ様子を見ていた


綾は朝に相良先生に言われた言葉が不安で仕方なかった




一通り診察を終えると


伸「ん〜やっぱり、炎症が強かった腕とリンパ節の部分は炎症がまだ残ってるね…。」




綾『………。』




伸「今度はお腹も診るよ。ちょっとごめんね。」


病院着のズボンの間から下腹部に手を潜らせる



綾『ん"っ…っ。』

ビクッと身体を震わせる



伸「ん〜。こっちもちょっと痛み出てきたね…。胸の検査するついでにちょっとお腹も検査してみようか…」



目を見つめられ、堪えていた涙が溢れる



綾『……ック…ヒッ……ック…』



嫌だと逃げたい気持ちでいっぱいだが、司馬先生もいるし、そんな事をしたらきっと怒られる…

だから、頑張るしかないのは分かってる




伸「綾ちゃん、大丈夫、泣かなくて良いよ。まずは検査だし怖くないよ。」



綾は小さく頷いた



胸は伸先生が
お腹は司馬先生が検査してくれた



司馬「前ほどではないが、やっぱりちょっと溜まってるな…」



伸「胸の方はやっぱり腕と脇のリンパ節の炎症が残ってるから2本は頑張らないといけないかな…。。」




綾『んッ…んんっ…ヤダッ…ヤダヤダヤダぁ〜んっ…んっ…ちゅ、ちゅうしゃ…もお腹もやだぁ〜しない〜!!』



伸「ん〜。」



先生は困った表情で、それ以上の言葉を言わなかった。



あれだけの激痛を伴う注射を押さえ付けられ、一度に10本以上も打たれたんだ。
その後も長い時間強い痛みに耐え、あの辛い時間を思い出しただけで、そりゃ泣いて拒否もしたくなる。

それに今日は兄貴もいないしな…


上手くメンタルケアしないと正直、処置をするのは難しい



伸「綾ちゃん、前の時は炎症も強かったし、注射もいっぱい打ったから辛かったけど、今日はもう炎症も前ほどじゃないから、前回の時よりは痛くないよ。」



司馬「やるならお腹の治療してから胸の治療だな。」




綾『どっちも嫌ーーーーっ!!』


止めどなく涙が溢れる









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