
先生…お願い。早く治して・・・
第94章 伸先生の再治療
司馬「綾、お腹の数値も前みたいに凄く高いわけじゃないし、注射だって2本だけだ。。注射は1、2分も有あれば充分終わる。全部の治療合わせても、15分とかからない。すぐ終わる!」
綾『んッ…んぅ…っック…っ』
司馬「大丈夫だから、パッとやっちまうぞ!!」
綾『んっ…んぇッ…ック…んっ…んっ…』
この間の治療が走馬灯の様に頭をよぎり、その恐怖は簡単に拭う事は出来ない
綾『せ、せんせ…がいいっ、せんせ…っ…がっ…くるの…っま、まってるっ…ック…』
司馬「あいつは今、オペの真っ最中だ!まだ時間がかかる。それとも10時間以上のオペで疲れてふらふらの石川に、終わったらやらせるのか?」
綾『……っ…っ…』
司馬「それは嫌だろ?お前がちょっと頑張れば、石川だって安心すんだぞ?」
先生を困らせるのは嫌だ…
でも、
身体と心がバラバラで、頭では分かっていても
自分でもどうにも出来ない…
身体が、手が…、小刻みにガクガクと震え出した
伸「綾ちゃん…無理する必要はない。兄貴が帰って来るの待とう…?」
伸先生は優しく微笑む
伸「兄貴なら大丈夫だから、手術、終わったら来てもらおう?な?」
綾『……んっ…ッんぇ…んんぇ…ック…』
伸「大丈夫、今すぐしないから、ほらっ泣かないで!な?」
伸先生は治療を拒否した私を怒る事もなく、優しく慰めてくれた
綾『…せんせ…っ』
伸「ん?」
綾『…。』
伸「ん?どうした?」
伸先生は優しく聞いてくれた
綾『……、ほんとっ…にっ…ック、、ち、ちりょうっ…す、すぐっ…おわる…っ?ック…ック…』
ポロポロと涙を溢しながら、尋ねる
伸は綾の目を見て、小さく頷くと
伸「すぐ終わるよ。」
綾『……んっ…ック…ヒッ…ッ…んん、こ、この…あいだ…より…、、いたく…っな…いっ?…んえぇッ…ック…』
伸「うん。この間は炎症もかなり強かったからね。でも今日はその炎症も大分治ってきてるから、この間よりは痛くないよ!…」
綾「…んぅ。』
伸「怖いよな…。。先生、兄貴来るまでやらないから大丈夫だよ。な?」
綾は首を横に振った
司馬「……ん?やるのか?」
綾は小さく震えながら、首を縦に振った
