テキストサイズ

先生…お願い。早く治して・・・

第95章 伸先生の再治療②



2人は休憩室の扉を開け、綾の元へと向かった




ビーッという電子音と共に扉が開き、綾は音の鳴る方へ目を向けると、伸先生と石川先生が入って来た




そして、ほぼ同時に看護師の伊藤さんも中に入って来た

もう注射をしに来たのは明白だ



石川は綾の側に行くと


石川「綾、ごめんな…長い時間待たせて。待ってるの怖かったね…。」


先生は綾の頭に優しくて大きな手をポンと乗せると、綾の顔を覗き込んだ



先生と目が合った途端、抑えていた感情が崩壊し、綾の顔はどんどん歪み、大粒の涙と共に声を上げて泣きだした




綾『んんっ…ンエッ…ック…んっ…んっ…やだっ…ック…やりたくないぃ〜!!』





石川「よしよし、分かってる…。嫌だな…。」



優しく頭を撫でなる



綾『んっ…ック…やだぁ〜っ…またっ…い、いっ、いたっいっ…のっ…ック…んんっ…』





石川「この間の注射、痛かったもんな…。。でも綾がこの間凄く頑張ったから、伸が前よりかなり良くなってるって褒めてたぞ?」



伸「本当、頑張っただけあって、かなり良くなってる。」




綾『だったら…ック…だったら…ンエッ…んっ…、やらなくてもっ…良いでしょ…ック?ねぇ〜んっんんっ…っ…』



必死に俺の目を見て訴えかける




石川「…ん〜それじゃぁ、どれ位良くなったのか、注射しなくても大丈夫そうか、先生に診せてくれるか?」




綾『…っ…んっック…ック…ひっ…ック…』




先生は綾の頬に手を当て、優しく涙を拭った






石川「じゃあ、ちょっとだけ診てみような。綾、片腕だけ病院着外すぞ?」



石川は診察しやすい様に病院着を半分脱がせた


石川「まだ何も痛い事してないぞ〜大丈夫だから泣かないの!な?」



ICUに来てからは、伸先生や他の先生達に診察されていた為、石川先生にこうやって診察されるのは久しぶりだ



石川「大丈夫だよ!そんな顔しないで!ちょっと触るだけだよ。」



先生はいつもの様に優しく微笑む


綾『ぅん…。』





ストーリーメニュー

TOPTOPへ