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先生は、真剣な表情で上から両胸を見比べる



石川「うん！あれだけ腫れてたのに、腫れも引いたね。」


不安気な綾に先生はニコッと笑う



石川「それじゃ、ちょっと触るよ？」


いつも様に左胸の膨らみに手を当てて、優しく探る様に触っていく



石川「大丈夫？痛くない？」

時折綾を気にかける様に、優しく声を掛ける



コクンっと頷く綾に、優しく微笑み返す



石川「ちゃんと炎症治ってるね…。」




でも、診察次第で治療の有無が決まると思うと
何度やっても緊張してしまう



石川「こっちはどうかな？ごめんな、ちょっと押すよ？」



いつも痛みが強く出やすい乳首の根元部分を、親指の先で優しく押し込む…


石川「…大丈夫かな？」



綾はまたコクンっと頷いた


いつもなら、痛みがあれば言葉とは裏腹に身体は嫌でも反応するが、今日はそんな様子もない



石川「おぉ〜綾、本当にかなり良くなってるな！！」



想像していた以上に回復している綾に石川は、
嬉しそうにニコッと笑いかけた



先生がこんなに喜んでくれて、内心とても嬉しかったし、もしかしたら注射しなくても…とつい期待してしまう



石川「よし、じゃぁ〜今度は腕とリンパ部分、診るよ？腕上げて？」



石川は綾の左腕を持ち上げようと、綾の手を握ると
綾は咄嗟にその手を跳ね除けた



綾『ヤダッ！！！』


綾は急に怯える様な目で、石川を見た…



石川はその目を離さず、優しい表情で諭す


石川「綾、大丈夫だから先生にちゃんと診せて？」



涙を溜めプルプルっと顔を横に振る



石川「あや…、、何も怖くないから！！な？」



綾はまたプルプルっと顔を横に振った




石川は小さなため息を一つ吐くと、



石川「綾がこれだけ嫌がるって事は、やっぱり注射が必要なほど痛いって事で良いのかな？」


石川は、ポロポロと涙を流す綾の目を見つめ、問いただす。