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先生…お願い。早く治して・・・

第95章 伸先生の再治療②




綾『違う〜!!』



石川「違うの??それじゃ、ちゃんと先生に診せて?」



石川先生は、見つめたその目を決して離さない…



綾『…ンエッ…ック…ック…』



石川「綾?先生はね、綾の今の状態をちゃんと診たいだけだよ。」




綾『んッ…ック…でも…っ、、い、いたかったらっ…ちゅうしゃ…ちゅうしゃ…するんでしょ…んっ…ンエッ…ック』



石川「注射するかしないかは、痛いか痛くないかだけじゃないんだよ!どれくらい炎症が残ってるかによるの。。だからちゃんと診察もしないで、注射するとかしないとは先生は言えない。」




綾『…ック…ンエッ…ンエッ…やだ…ック…こっ、こわいっ…』



医者嫌い、病院嫌いの綾が
あれだけ痛い思いをしたんだ、恐怖を拭えず拒否してしまう気持ちは痛い程分かる…



石川「怖いよな…あれだけ痛くて怖い思いをしたんだ、当然だ。先生だって綾にあんな痛い思い、、もうさせたくはないよ。だからこそ、炎症が残ってないかちゃんと調べないといけないの…。いいね?」



石川は改めて綾の左腕を掴むと、頭上に腕を持ち上げた。
綾は泣きながらもその手の力を抜き、素直に従った…



素直に従った綾に先生はニコッと笑うと、


石川「大丈夫だよっ。先生、強く押したりとかしないから…。な?」


涙でくしゃくしゃな綾の顔を見つめ…話す石川の声と顔は、先ほどとは違い、すごく優しかった



凄く優しいんだけど、時折見せるこの厳しさ…
優しいのと甘やかす事は違う…


院長はこういう駆け引きが本当に上手いよな〜

こんなイケメンにこんな事されたら、たまらないな…


側にいた看護師の伊藤は内心そう思っていた





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