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先生…お願い。早く治して・・・

第95章 伸先生の再治療②




石川の手によって頭上に持ち上げた左腕を、側にいた伸が、代わりに押さえる


押さえられる=痛い

この方程式が無意識に脳裏にこびりついている綾は、つい押さえられた方向を目で追ってしまう




伸「大丈夫、ただ兄貴が診察しやすい様にしただけだよ!」



伸は怖がらせない様にニコッと微笑んだ




石川「それじゃ、腕の方から診ていくよ。」



脇の下から数センチ上の二の腕の裏側に親指を当て、ほんの少しだけ圧をかけながら撫でる様に触診していく


緊張で手や脇に汗が滲む



綾『んっ…っ…っ…。』


時折、グッと腕に力が入り、声が漏れない様に我慢しているのは見て取れる



石川「綾、前よりだいぶ良くなって来たね。」


先生は優しく微笑む



綾「……。。。』



石川「でもまだこの辺、、少し奥の方、痛いね…。。」


ズバリ言い当てられ、綾は何も言い返せず
目に涙が溜まる



石川「今度は脇の方も診るよ…。。」



少し位置をずらし、指を脇の下に移動させ、脇の窪みに少しだけ圧を掛ける



綾『…ぁあっ、いやっ!!』


ビクッと反射的に跳ね上がる




石川「ごめん、ちょっと痛かったかな…。こっちはまだもう少し掛かるかな…。」





綾『んっ…んっ…ック…やだっ…ヒッ……ック…』



溢れない様に必死に抑えていた涙が、溢れていく





石川「伸、炎症数値は測ったのか?」




伸「あぁ〜測ったよ。」


すかさず、看護師の伊藤はデータの載ったタブレットを手渡した



石川「ありがと。ん〜、、数値もかなり良くなってはいるけど……やっぱりもう少し治療は必要だな…」



検査結果に目を通す



伸「本当に、かなり良くはなってるよ!!あと少しだ。」




綾『んえッ…ック…んっ…っ…やっ…だ…っ…やだっ…』


この間の痛みが蘇り、恐怖となって帰ってくる




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