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先生…お願い。早く治して・・・

第95章 伸先生の再治療②



石川「伸の打つ注射、なんで痛いか分かるか?炎症の起きてる所っていうのはね、神経が過敏になってるんだ。伸はその一番炎症の強くて神経の過敏な所に針を刺して薬を入れるから痛いんだ…。でもあの麻酔のお陰で、過敏になっていた神経が沈静化するから、痛みが抑えられてるんだよ。」



綾『でも、効いてないみたいに痛かったもん』



石川「そうだよな…。でもね、、鎮静剤無しで過敏なままの所に打ったら、もっともっと痛いよ。確かに炎症は治って来てるけど、それでも麻酔無しで打ったら前回と同じ位に痛いだろうな。それでも綾がどうしても嫌だっていうなら、麻酔しないでやっても良い。どうする?」




綾『……ック…、他の麻酔はするの?』



石川「他の麻酔?塗麻酔とか?」



綾『うん…』



伸「マスクの麻酔はやるけど、塗る麻酔はやらない。今日は奥に打つから、表面に麻酔掛けても意味がないからね。」



痛いのはいやだ…
でもあの痛みの中、必死で嫌だと…、やめて欲しいと叫んだのに、言葉が誰にも届かない…
いつ終わるのか、いつやめてくれるのか分からない中、身体も動かせず耐えたあの拷問の様な時間が、トラウマの様に恐怖となって襲ってくる



綾は俺たち2人に訴えかける様な目をすると


綾『…声が、、届かないのだけはヤダ…!でも、痛いのも嫌っ!!』







伸「鎮静剤無しに痛みを抑えるのは正直無理かな。でも、声が出ないのがどうしても嫌ならマスクの麻酔だけでやろうか?あれなら声も出せるし、少しだけど神経を鎮静化してくれるからね」





石川「綾、見てごらん。あの時計。21:52分…22時の所に針が来る頃には全部終わってるから!すぐ終わるよ!」




綾『…うん…。』



石川「大丈夫。先生が側にいる。終わった後もずっと一緒にいるから、頑張ろ?な?」


石川は綾の頭に手を乗せニコッと微笑んだ






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