
先生…お願い。早く治して・・・
第95章 伸先生の再治療②
伸「よし、じゃぁ〜早くやって終わらせよっ!」
そういうと、手袋を手に取り準備を始めた
石川は、胸に抱き寄せていた綾をゆっくりとベットへ寝かせた
綾『…んっ…ック…んっ…ック…ンエッ…ん…っ…』
石川「大丈夫、すぐ終わるっ」
先生はベットへ寝かせた綾に、ニコッと笑いかけた
石川「じゃぁ、マスク付けるぞ〜。」
ベットの上にあるマスクを手に取り、綾の口元に装着する
綾『ンエッ…っ…ンエッ…っク…』
石川「あや〜、大丈夫大丈夫…。大丈夫だから、ゆっくり呼吸しよう…」
先生はニコッと微笑み、綾の頭を優しく撫でながら、落ち着かせる様に優しい声を掛ける
綾『んっ……っ……んっ………っ…。』
石川「大丈夫だよっ!」
そう言って、進堂さんに微笑み掛ける院長の姿と顔があまりに素敵で、見ているこっちがキュンとしてしまう
伸「それじゃぁ、最初は腕の方から打っていくよ。すぐ終わるから、ちょっとだけ頑張って腕上げてような。」
綾『んっんっんっんっ…っック…ンッ…やだぁ〜やだぁ〜』
堰を切ったように止まっていた涙が一気に溢れ出した
伸「伊藤ちゃん、枕取ってくれる?」
伊藤「はい、一つで良いですか?」
伸「うん!」
伊藤は伸先生に枕を手渡すと、綾の左胸・肩・腕が枕の上に乗るように身体の下に入れた
準備が整ったのを見計らい、休憩室でスタンバイしていた司馬と高梨が中に入って来た
伸「よし、じゃぁ〜やっちゃおう。伊藤ちゃんアルコールちょうだい。」
伊藤「はい」
気が付けば、先生達に囲まれていた
綾『やだやだやだやだ〜!!!離して!!!離して!!』
石川「大丈夫、すぐ終わるからな…。ちょっとだけ頑張ろっ?」
綾『ンエッ…っ…ヤダーー!!こわい!こわいっ!!せんせっ、やだぁ〜!!こわいっ!!』
伸「綾ちゃん、すぐ終わるから、ちょっとだけ頑張って動かないよ〜。動くと危ないからな…。」
そう言うと、伸先生は兄貴や司馬、高梨の顔を見て目で合図する
それはしっかり押さえておけ!の合図だ
