
先生…お願い。早く治して・・・
第97章 嘘つき…
後藤「院長、ICU後藤です。」
石川「なんかあった?」
後藤「あの、私の勘違いであれば良いんですが、巡回に行ったら進堂さん布団の中で泣いていた様に感じて…。」
石川「どこか痛がってる様子とかあった?」
後藤「いや、声かけたんですが、“大丈夫”って。。痛む所もないか聞いたんですが、布団の中で首を振られて、、だから実際顔を見たわけじゃないので、単に私の見間違えとか勘違いかもしれないんですが、気になって…一応お伝えしておいた方が良いかな…と思いまして…。」
石川「勘違いであれば、それはそれで良いし、助かるよ。ありがとう、見に行くよ!」
そう言って受話器を置いた。
痛みを隠してるのか…
それとも単に体調の悪さ、熱での涙か…
頼むから、連日の辛い治療で心も体も不安定なあの子を、
これ以上追い詰めないでくれ…
祈る気持ちで院長室を出てICUへと向かった
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ICUの前まで行くと、後藤が待っていた
後藤「院長…お忙しいのに、私の勘違いだったらすみません。」
石川「良いんだよ!どちらにせよ診察もしなきゃいけないし、細かな所まで気を配ってくれるのはこちらとしては助かるよ!」
石川は後藤にニコッと微笑んだ
石川「行こうか…。」
後藤「はい」
