
先生…お願い。早く治して・・・
第97章 嘘つき…
綾『んっ…ん"っ…っ…ヒッ…っく…』
後藤「進堂さん、大丈夫?」
先生が出ていってしまった悲しさを埋める様に、看護師の後藤さんが優しく声を掛けてくれた
返事をしたいが、呼吸が乱れ上手く返事が出来ない…
後藤「大丈夫よ、ゆっくり深呼吸しましょ!」
後藤さんの優しい微笑みに、心がスッと軽くなった
後藤「どう?落ち着いた?」
綾はコクンっと頷いた
後藤は「良かった!」とニコッと微笑んだ
後藤「進堂さん、下に敷いてたマット外すね?」
そう言って腰の下に敷いていた吸水マットを引き抜いた
後藤「下着とズボンも履きましょうか?ね!」
綾は素直に “うん。”と頷いた
後藤は替えの下着とズボンを履かせてくれた
後藤「進堂さん、頑張ってるから、きっと良くなってくるわよ!」
綾『……。。でも…頑張っても次から次に何処か悪くなって、、その度に治療は痛いし…。先生達怖いし…。。』
後藤「そっか、、そうだよね…。怖いか〜。」
綾『怖いです…。怖くないですか?』
後藤「ん〜。院長も伸先生も優しいけどね…。」
綾『優しいんだけど、すぐ怒るし…。私がそうさせてるのは分かるけど…。。』
後藤「もし、先生達が怖くて言えない事とかあったらいつでも相談して!話ならいくらでも聞くからね!」
綾『ありがとうございます。。』
久しぶりに先生達以外と、普通の会話をした感じがした。
後藤「今はあんまり色々考えず、ゆっくり休んで!なんかあったらいつでも呼んでね。」
綾『はい。』
後藤はニコッと微笑み、ICUを出ていった
