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先生…お願い。早く治して・・・

第97章 嘘つき…




きっと今は俺と限らず、俺達医者そのものが綾にとっての恐怖だろう…



だから、なるべく綾の様子を見に行く事を避け、看護師にこまめに様子を見てもらった



しかし、治療そのものは俺たちにしか出来ない…




夕飯の時間が終わり、1時間位経った後、そんな治療の時間がやって来る



泣かれ嫌われる覚悟で行くしかない



行くか…





ビーーーーっと音が鳴り扉が開く


石川と看護師の後藤が入って来た




石川はベットの横に来ると


石川「綾?調子はどうだ?」

何事も無かったかの様に、出来るだけ、いつも通りに優しく声を掛けた




綾は布団を被り顔を隠した




綾『………。』




やっぱりダメか…




石川「綾〜?起きてるだろ?」




綾『……。』




石川「ん〜?綾お得意のだんまりか??ほ〜らっ!!熱測るぞ?」




綾『いい…、もう無い。』



石川「測ってみないと分かんないだろ?」




綾『分かるもん…。』




石川「そっ…。。じゃぁ、お腹見せて?」





綾『そっちももう良い…。やんない。」




やれやれ……



石川「綾?それは先生が決める事だ!」




綾『私がもうしないって言ってるんだから、しない!!』




石川「あや?酷くなったら困るでしょ?」




綾『困んない!治療したって、どうせ良くなんないもん!』




石川「そんな事ない。」



綾『昨日だってあんなに頑張ったのに、、今日もまた痛い事ばっかり。結局良くならない!!』




石川「治療した所は良くなってきてるよ。」





綾『嘘っ!』





石川「嘘じゃないって!!ほらっ。すぐ終わるからパッとやっちゃお?」





綾『やらない…。』




石川「このまま放置したらま〜た、お腹痛くなっちゃうぞ〜?」




綾『良い、大丈夫。。ほっといて!』




石川「綾、放っておける訳ないだろ〜」




綾『いいから、帰って!!』




石川「あや〜!!頼むから先生の言う事聞いて!」





綾『やだっ!!』






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