
先生…お願い。早く治して・・・
第98章 別れ…それとも…
いつもなら、
感情を剥き出しにし
泣き喚きながら、
俺たちに心をぶつけて来ていたのに、、
今日は違う…。。。
特にこの1週間は大嫌いな治療の連続だった。
それも、今までにない強い痛みを伴う辛い治療の連続
治療が必要となる度に、俺たち医者に説得され、みんなに押さえつけられ、泣き喚きながらも必死に痛みに耐え、回復する事だけを想って頑張って乗り越えて来たのに、乗り越えても乗り越えても尚、新しい波がやってくる
心が折れるのも理解出来る
それでも、やらなければいけない…という事は、綾も分かっているハズだ。でも綾の心は、この辛い現実に付いていけない、、追いつけないんだ…
自分でももう…
どうして良いのかも分からないのだろう。。
確かに、今回は一筋縄では上手くいきそうにないな
院長の言う通り、俺が説得するのは中々難しそうだ
高梨「綾、ゆっくりで良い。1人で深呼吸しながら、どうしないといけないのか考えてごらん? 俺が必要な時は呼んで。いつでも話や愚痴くらいは聞いてやれるからさっ、な?」
綾『……。。。』
布団で顔を隠したまま背を向けた綾を尻目に、高梨は石川がいる休憩室へと戻っていった
石川「どうだった?」
高梨「ダメでした。俺もみんなと一緒だって…!」
石川「今は誰が行っても変わらないだろ。まっ、もう少し様子見よう!痛み止めが切れたら嫌でも我慢なんて出来ないさ。」
高梨「そうですね。でも…あの綾が泣かないなんて、正直意外でした。」
石川「あぁ〜、だからいつもと違って厄介なんだよ!今の綾には、この状況は荷が重すぎる…。それでも…乗り越えて、強くなるしかないんだ。」
