
先生…お願い。早く治して・・・
第98章 別れ…それとも…
2人の間に割って入って来たのは、高梨だった
高梨「綾は頑固だからなぁ〜。。あぁ〜、、あの位だったら、、確かに、まだ我慢するだろうなぁ。」
石川「だろ?? まっ、今行ってもどうせ無理だろうけど…、伊藤さんにそこまで言われて、動かないのもな!」
伊藤の方を見て笑って見せた
伊藤「いや、あの私はただ…、、すみません。」
石川「良いんだよ!そこまで気に掛けてくれていて嬉しいよ。」
こんな近くで、あんなカッコいい笑顔でそんな言葉をかけられ、急に恥ずかしくなった
石川「じゃぁ、伊藤さん、行こうか?」
そう言って石川は優しく微笑んだ
伊藤「……はい///。」
石川「ちなみに、先に言っとくけど、ちょっと修羅場になると思うけどごめんね!」
伊藤「え?修羅場…ですか?」
石川「そっ!まぁ〜そうならなきゃ良いんだけどね。とりあえず、俺が何とかするから、指示するまで伊藤さんはただ見守ってくれてれば良いから、ね?」
伊藤「は、はい。。分かりました。。」
石川はフッ!と気合いを入れる様に、短く息を吐くと
石川「よしっ!じゃ行こうか!」
石川の中で何か覚悟を決めた様な、そんな表情をしていた
石川は休憩室のドアを開き、ICUへと入って行った
ビーーーーーっという音が鳴り、扉が開く
案の定、綾は布団で顔を隠した
コツコツコツと足音が近づく
この足音は石川先生だ。。。
石川「綾?」
ギュッと強く布団を握りめるのが分かった
石川「……、、、いい加減治療しないと、どんどん痛くなるぞ?」
綾『……。。。』
石川「ん?消毒して薬塗ったら終わりだぞ?」
綾『だからしないってば!帰って!』
石川「帰らない。」
綾『…、良いから帰ってってば!』
石川「先生はここで仕事する。別に綾の治療はしないから気にしなくて良い。」
綾『……、、、』
先生は何か話しかけるでもなく、ベットの横にいるのだけは分かる。
でも先生に背を向けている為、こっちを見ているのか、それとも本当に仕事をしているのか…、、今は確認のしようがない。
