先生…お願い。早く治して・・・
第99章 何処の誰よりも…
夜中に様子を見に行ったが、痛みも出る事もなく朝を迎えられた
今日は月曜日だ…
今週末は創立記念日という事もあり、日常業務以外の仕事も多く、特に今日は綾の所に行く時間を作る事も中々難しい
昨日の今日だ…
メンタルもまだ不安定だし、せめて朝の治療だけでも俺がやらなきゃな…
石川「綾?おはよう。どう調子は?」
先生はいつもの様に、爽やかな笑顔でニコッと優しく微笑んだ
綾『おはよ…。昨日よりは良い…かな。。』
そう話す綾の表情はどこか暗い感じがした
石川「そっか、良かった!ちょっと熱測ってみようか。」
そう言って綾の脇の下に体温計を挟んだ
不安そうではあるが、素直に言う事は聞いてくれる様だ
少しすると音が鳴り、石川は体温計を抜き取った
37.2℃
石川「ん〜、だいぶ下がったな!良かった…綾、頑張ったもんな?」
ニコッと微笑む先生に褒められ、内心ちょっと嬉しくなった
石川「綾?先生今日さ、かなり仕事がいっぱいで夜は来れないかもしれない。だから朝だけでも先生に診察と治療させてくれる?」
綾「……、、、絶対、やんなきゃ…だめ?』
見る見るうちに綾の表情が暗くなって行くのはすぐに分かった
それでも、今日はやる事はやらないといけない。。
石川は綾の頭に手を置くと目線を合わせた
石川「うん。やらなきゃダメだ。だって折角ここまで頑張って治したんだぞ?また痛くなったら嫌だろ?その為にも、洗浄してお薬を塗る。あとは、胸の状態も診ないといけない。良い?」
綾『んっ…んっ…んえっ……んえっ…』
今日もまた治療…まだ一日が始まったばかりなのに…
また痛い事をするの?
そう思ったら、涙が止めどなく流れてくる…