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綾は高梨の問いに、俯いていた顔を上げ高梨の目を見つめた


『 みんな大好き。でも……でも、だから相談なんて出来ないよ。あんなこと……言えるわけない』



高梨は一呼吸おくと

「確かに…そうだよな……」と返した。





『 私、いつからこんなに弱くなっちゃったんだろっ。こんな泣き虫じゃなかったのに…。今は怖くてしょうがない……。』




高梨は少し考えると、
「 みんなそうだよ…。誰だって君と同じ立場になれば、怖くなるのは当然だ」



『 本当？ 』


「 あぁ〜、本当。でも誰にも相談出来ずに自分一人で抱え込むのは辛いな…。打ち明ける事で気持ちが楽になるときもあるからね」



『……でも、あんな事……言えない…。

思い出すのも………。』



「 治療、キツかった？」




『……ぅん……。石川先生って優しいと思ってたけど…治療してる時の先生は嫌…。怖い…』

綾はうつむいた。