
先生…お願い。早く治して・・・
第22章 やっぱり怖い
先生は涙する綾の頭に手を乗せると
「ごめんな…、先生も痛くないのは分かってる」
泣いている綾の顔を覗き込む
『じゃ…っ、じゃぁ〜うぅっ…なっ、なんで…?』
「 痛くないのは、まだ痛みが出る位数値が上がって無いから…。でもこの調子で数値が上がっていけば、ん〜〜。。3日から4日位で痛みが出てきてもおかしくないかな…。」
『…そんなの嘘…このままかもしれないじゃん…』
涙が止まらない
「 そうだね、もしかしたらこのまま数値が安定するかもしれないし、上がるかは先生も分からない。だからもう少し経過を見ないと」
『……。』
「 だから、もうちょっと様子を見てから退院は考えよう」
また治療……そう思ったら怖くて涙が止まらない
「大丈夫、大丈夫…。。」
石川は綾を抱き寄せ、綾の涙が止まるまで優しく背中をさすった
