
先生…お願い。早く治して・・・
第33章 触れるんじゃない…!
カーテンの外で心配そうに見守る3人にも宮田の声は聞こえていた。
流石に薄いカーテン一枚では全てが筒抜けだ…
宮田「お嬢様…大丈夫ですか?」
はだけたパジャマをサッと整えるとそっと抱きしめた
宮田「遅くなってすみません、お嬢様。私がもう少し早く到着していれば…」
男性は目を細めた…
綾『ハァハァ…みやた…なの?なんで?ゲホっ…っ』
目の前が霞んで見える
なんでいるの?
遠のきそうな意識の中で聞こえる、宮田の声
宮田「もう大丈夫ですよ。側に居ます。」
ぼんやりと宮田が微笑む顔が見える
綾『ゔっぅッ…うっ…えっ…っく…ゲホゲホゲホゲホッ…ゲホゲホっ…ハァハァ…』
咳が止まらない…苦しい…
宮田は手際よく酸素をセットし、綾の口元にマスクを当てた。
宮田は綾の背中をさすると
宮田「大丈夫、大丈夫ですよ。もう泣かないで…。ゆっくり息を吸って……」
その声はとても優しく、先程の 冷酷なまでの冷たい声とは別人の様だった。
20分位するとようやく綾の咳も治まり、気持ちも落ち着いてきた…。
