
先生…お願い。早く治して・・・
第35章 院長石川先生のやさしい治療(前編)
先生はベットに座る私の目線に合わせると
石川「綾…お腹…、、かなり痛いか?」
そう尋ねる先生は、表情も声も凄く優しかった
綾『……。』
石川「ん?」
どうだ?と探る様に見つめてくる先生の目は、とても優しかった……
いつもなら“隠したって無駄だぞ”とか、少し意地悪な言葉の一つも掛けてくるのに、今の先生には意地悪な表情すら微塵も感じられない
確かに痛いけど、そんなに気を遣われるなんて、
それだけ私の身体……悪のかな……
そう思ったら、
返事をする前にボロボロと涙が溢れた
綾『ウッ……ウッ……』
石川「いいよ…大丈夫だから、泣かなくていい。」
先生は優しく微笑むと
私の頬に手を当て、流れた涙をそっと指で拭った
