
先生…お願い。早く治して・・・
第40章 先生…苦しいよ…
一通り聴診し終わると、
石川は聴診器を首にかける
石川「んぅ。ちょっと苦しいね…大丈夫か綾?」
綾『はぁ…はぁ…はぁ…』
小さく頷くだけで精一杯な様だ
石川は宮田の方を向く
石川 :「吸引は?したのか?」
宮田 :「いえ、してません。」
小さく首を横に振った。
正直、綾が患者でなければ迷わず吸引をしていただろう…吸引をすれば呼吸が楽になるのは分かってはいるのだが、綾にあの苦しい処置を行う事は出来なかった。
やはり俺は、、お嬢様の前では医者ではいられない。
きっと石川先生はそんな俺に呆れているだろう…
そんな俺を横目に、石川先生は躊躇もなく看護師に指示を出す…
石川 :「森下、吸引の準備してくれる?」
森下 :「あっ、はい。」
森下はチューブの入った袋を持ってくると機械へと繋いだ
