
先生…お願い。早く治して・・・
第43章 先生、嫌だ!これ取って…相良先生の治療(後編)
相良はデスクの上の電話機を手に取ると、綾の病室に内線を入れ、宮田に迎えに来るよう伝えた
「宮田君、直ぐに来るそうだよ。」
『…ぅん…。』
治療を終え、安心している様にも見える反面、凄く落ち込んでいる様にも見えた
「綾ちゃん、大丈夫か?」
相良は優しく微笑み声を掛けた
『……先生…、またこの治療するの?私……。』
綾は泣き止んだ目をまた潤ませ聞いてきた。
相当辛く嫌だったのは、俺から見てもよく分かった。それだけに適当な事は言えない。そう思った。
「…ん〜、たぶん石川先生が治療する時は今日使った治療器は使わないんじゃないかな。でも、石川先生以外の先生の時はまた使う事になるかもしれないね。」
『………。』
俺の言葉に言葉を失っている様だった
