
先生…お願い。早く治して・・・
第43章 先生、嫌だ!これ取って…相良先生の治療(後編)
この私が石川先生にとって特別な存在?
そんな訳ない…
そうだとするなら、それは進堂家の娘だからだ…
そう思った。
トントン…
相良の “どうぞ” という掛け声に宮田が入って来た
綾は宮田の姿を見るなり、宮田の胸に抱きついた
“ お嬢様…。”
お嬢様が素直にこんな行動に出るのは正直珍しい…
宮田は綾をぎゅっと抱きしめながら、相良の方を見ると
“相良先生、お久しぶりです。ありがとうございました。”
と頭を下げた
「久しぶりだね、宮田君。綾ちゃん…ゆっくり休ませてあげるといい。」
相良先生のその言葉に、きっと相当辛かったのだろうと直ぐに察知出来た
“ ………はい。分かりました。”
そう返すと、宮田は自分の胸に顔を埋めたままの綾の顔を覗き込んだ
“お嬢様…帰りましょう。歩けますか?”
『…ぅん。』
と答えた綾だったが、足元がふらついている感じがした
それを見た宮田は
“お嬢様、失礼します。”
そう声を掛けヒョイと抱き上げた。
綾は自分で歩ける…と言ったが、
“今は私の言う事を聞いて下さい”
そう言って綾を抱き上げたまま、病室へと連れて帰った。
