
先生…お願い。早く治して・・・
第11章 ピュアな心
「 よし、もういいよ…。よく頑張った」
そう言うと、先生は捲った診察着を下ろしてくれた。
肩を震わせながら、必死で涙を止めようとするが
それでも涙は止まらない…。
これまで沢山の患者と接してきた石川だが、
そんな綾の姿にこれまで感じた事のない思いに心が揺れていた。
進美外科の医師の腕は皆最高レベルだが、それぞれ患者からの人気が違う。
司馬は進美外科一番の腕を持ち、色黒で背も高くイケメンだが、性格に難点がある為、女性や看護婦からも人気が無い。その一方、石川は御曹司ならではの品があり、誰にでも優しい石川だが、時に強いリーダーシップを発揮する。その為若い女性や、看護婦、小さい子に絶大な人気がある。
進美外科の患者は女優やモデルなどが多く、このイケメンで性格も良く、お金持ちの石川を落とそうと、色仕掛けで接してくる女はとても多い。
そんな女ばかりを相手にしているからだろうか?
それとも、進堂家の一人娘であり、進堂先輩の娘さんだから?
いや、こんなにピュアで、自分自身の気持ちをストレートにぶつけてくるのは、小さな子供以外見たことがない…
自分でもこんな気持ちになったのは初めてだ…
執事の宮田が、あそこまでこのお嬢様に尽くしているのはやはり、そうさせてしまう何かが彼女にはあるのだろう…。
