
先生…お願い。早く治して・・・
第44章 思わぬ訪問者…そして石川先生の覚悟……
大好きな娘との別れは名残惜しいが
「じゃぁ、パパ…そろそろ行かなきゃ…。」
『うん。』
綾は、最高の笑顔で送り出した……
進堂は綾の病室を出ると、院長室へと向かった
「進堂先輩。ご無沙汰しております。」
石川は深々と頭を下げた
「堅っ苦しいのは止めよう…玄(ゲン)君…こちらこそ娘がお世話になって感謝してるよ。ところで…娘はどうなの?」
石川は一呼吸おくと
「もちろん命には別状ありませんが、退院まではまだかかるかと…。正直、治療は相当辛いと思います。まだ高校生ですから…。」
