
先生…お願い。早く治して・・・
第44章 思わぬ訪問者…そして石川先生の覚悟……
「うん…。さっき綾の顔を見てきたが、無理に笑っているのが痛々しくてね。あの子は昔からそうなんだ…。私達に心配をかけまいと、私の前ではいつも強がって…」
「そうですか………。医者嫌い…病院嫌いで沢山私の手を焼かせてくれますが……本当に良い子ですね。」
「親バカかもしれないが、本当に良い子に育ってくれたよ。」
進堂は少し恥ずかしそうに、はにかんだ笑顔で笑った
そんな進堂に石川は急に真剣な目を向けた……
「進堂先輩………」
「ん?」
「…いやっ……なんでも…。」
「何だよ、言いなさい。遠慮はいらない。」
「先輩…、もし、もしもですよ。私みたいなものが綾ちゃんを好きになったら…、先輩は許してはくれませんよね?」
進堂を見つめる石川の目は真剣だった
進堂は一つ大きく息を吐くと、
「娘は?君の事をどう思っているんだ?」
「分かりません…。彼女自身、医者を毛嫌いしてますから、もしかしたら嫌われているかもしれません。ただ、先輩の大事なお嬢さんです。先輩の許しなしに、これ以上好きになることは出来ないと…そう思っています」
