
先生…お願い。早く治して・・・
第49章 前担当医(司馬先生)と現担当医(石川先生)
司馬先生は看護婦に止められ、部屋から出ては行かなかったが、ベットから少し離れた椅子にもたれ掛かり、
司馬 :「おいっ。どうするんだ?やるのかやらないのかハッキリしろ!俺だって暇じゃないんだぞ。」
綾 :『…ぅうっ…んっ…っく…』
司馬 :「いつまでも泣くな!」
看護婦 :「綾ちゃん、ちゃんとやるもんねっ」
看護婦さんは私をなだめながら、優しく何度も声を掛けてくれた。
綾 :『…っく……うん…。』
私は泣きながら“ウン”と頷いた
司馬先生は、そんな私にハァ〜と大きなため息を吐くと、椅子から立ち上がり、もう一度新しい手袋を手にはめ近づいてきた。
