
先生…お願い。早く治して・・・
第50章 突然のキス……はファーストキス
突然の事に私の身体は硬直し、動く事すら忘れていた…
でも先生のキスはとても優しく…
今までの心のグチャグチャが一気にどこか遠くに行ったかのように、頭の中は真っ白になった
「ごめん……。つい…。」
『……つい…何?……可哀想になった…?』
私って最低だ……。
咄嗟に出た言葉が、こんな言葉しか出てこない…
「違う…。そうじゃ無い…。ただ、いつかお前に男が出来たら…そう思ったら、他の男にお前を取られたくないって…そう思った。」
『先生……。それって…どういう意味?』
「…どうとってもらっても構わない。」
『どうとってもらってもって……。そんな…、ちゃんと言ってくれなきゃ分かんないよ。私…。』
「綾…お前はどうなんだ?俺の事どう思ってるんだ?」
平然を装って、お前に聞いたこの質問…
返って来る言葉が怖くて…
俺はほんの少し、お前の肩に回す手は震えていたかもしれない…
それを悟られない様にするのがどんなに大変だったか…
お前の答えが返って来るまでの時間は凄く凄く長く、どんな難しい手術よりも怖かった…
