
先生…お願い。早く治して・・・
第54章 石川先生は私が他の先生に診られても平気なの?
薬が効いて痛みの退いた私は、石川先生に手を引かれ高梨先生の診察室へと向かった
いくら側にいてくれるとはいえ、やっぱり嫌だ…
高梨先生の診察室へ行くのは中学の時以来だ。またあの椅子に座るのかな…嫌だな…
足取りは重い…
「大丈夫だよ。高は優しいから。一回ちゃんと診て貰えば安心だろ。」
繋いだその手から私の緊張が伝わったかの様に、先生は私の心を解してくれる
とうとう来てしまった。
トントンっと先生は扉をノックした
“ど〜ぞ〜”
いつもの軽い声が中から聞こえる
「入るぞ〜」
そう言って先生は私の手を握ったまま扉を開けた
