
先生…お願い。早く治して・・・
第54章 石川先生は私が他の先生に診られても平気なの?
“ はい終わり。よく我慢したね。椅子下ろすからまたしっかりレバー握ってて”
高梨先生は椅子を元に戻してくれた
手袋を外した高梨先生は泣いている私の頭をポンポンと叩き
“よく頑張ったね。安心して、ゆっくり着替えな”
そう言って、石川先生と共に隣の部屋へと歩いて行った
残された私は、鼻水をすすりながら、着替えを終えた
そこへ看護婦さんが現れ、
「お疲れ様、頑張ったね。」
と声をかけてくれた。
先生達以外の人に、年替えもなく、我儘と泣いている所を見られ、少し恥ずかしかった……
「高梨先生が着替えが終わったら、“もう一度診察室に来るように”って…」
私は看護婦さんの後に続き、また診察室へと戻った
