
先生…お願い。早く治して・・・
第55章 平気なわけがないだろ!でも俺は医者だから…
私は先生に手を繋がれ、少し引っ張られるように先生の少し後ろを歩き、高梨先生の診察室へと向かった
高梨先生の診察室の前では、外来の患者さんが十数名待っていた…完全予約制の進美外科で、これだけの人数が待っているのだから高梨先生の人気度がうかがえる
私達もその患者さん達と同様に、診察室の前のソファーに腰掛けた…
突然現れた長身でイケメンの石川先生は、診察待ちの患者さん達のグギ付けだ…
石川先生にとっては、こういう目線は日常茶飯事なのだろう。先生はまったく気にすることもなく、私の手を握ったまま一緒にソファーに腰掛けた
私は下を向いたまま、凄く緊張していた…
「大丈夫、すぐ終わるから。」
ずっと握ってくれている先生の手は大きくて、今すぐにでも逃げ出したい程に緊張している私を勇気付けてくれているのが伝わる…
