
先生…お願い。早く治して・・・
第55章 平気なわけがないだろ!でも俺は医者だから…
いつ呼ばれるんだろう…
今来たばかりだし、、私は最後かな…?
やっぱりさっきと同じ事されるんだよね…
考えない様にしようと思えば思うほど、そればっかりが頭に浮かぶ…
どうしよう…
怖いよ…本当に怖い……
痛い事をされるのが分かっているだけに恐怖心は消えず、むしろ増幅するばかりだ…
私の病院嫌い、医者嫌いに拍車がかかる。
下を向いたまま、自分でも気が付かないうちに涙が溢れていた
それに気づいた先生は、私にしか聞こえない小さな声で
「どうした?大丈夫か?お腹痛い?」
と顔を覗き込んだ。
私は俯いたまま、ただ首を横に振った。
先生はそれ以上は何も言わず、握った手をもう片方の手でポンポンっと優しく叩いた…
