
先生…お願い。早く治して・・・
第56章 私…先生に見放されたの?
「痛いのも怖いのも分かるけど、折角痛い思いして頑張って治療したのに、もう治療しないって言うのは先生もあんまり感心しないな。石川先生が怒るのも分かる…。」
『……。だって…治療…凄く痛いんだもん。』
「だとしてもだ。院長は俺なんかよりずっとずっと忙しいんだぞ!それでもお前が1人で治療受けるのは不安で怖いだろうからって付添って…、時間割いた分は睡眠時間削って仕事してんだぞ!」
『えっ?!』
うそっ……
「院長はね、どんなに忙しくて睡眠時間が少なくても、お前の辛い治療に比べたらそんなの大したことはないって…。その位お前の事心配してんだぞ。」
『……。』
「痛いのも怖いのも…先生、同じ様な状態の子いっぱい治療してるから分かる。もちろん石川先生だってそうだ!………綾?…綾が今、炎症を起こしてる所は女の子にとって、とっても大事な所なんだよ。綾はこれからもっともっと素敵な女性の大人になって、好きな人と結婚して子供だって産みたいでしょ?」
『……こんな身体で赤ちゃんなんて産めるの?』
「もちろんだよ。悪い物質が溜まる以外は、正常、問題無し。婦人科の専門医の僕が言うんだから、間違いないよ!
でもね、今は子宮も膣の方も炎症を起こしてる…こういう事を治療しないで放置していると、綾自身がもっと辛い治療をしなきゃいけなくなるんだよ。それに、不妊とか色んな症状が出る可能性だってあるんだよ。そんなのイヤでしょ?」
『…うん。』
「今、治療すれば、明日は今日より炎症は治まってくる…。治療の痛みも少しずつ良くなる。3分もあれば終わるから、やろうっ!石川先生も心配してるぞ!」
『……んぅ。でも石川先生…怒ってるよね?』
「どうかな。でもまぁ石川先生は大丈夫だ!!それより一番は今ちゃんと治療を受けることだ!」
