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先生…お願い。早く治して・・・

第58章 揺れ動く気持ち、そして期待


たぶん、いや間違えなく今日の私は不自然な程に喋り倒した。



先生はいつもと違う私に気付いていただろう…


「綾っ……」

先生が私に何か言いかけたが、それ以上聞くのが嫌で、私は先生の言葉を遮った



『先生っ、私、今日いっぱい歩いていっぱい食べたら…もう眠くなっちゃった!だから今日はもう寝るね。』




「………、そうか………。おやすみ。」



だから、そんな私を気遣ってか、先生はそれ以上余計な事は言わず病室を出て行った…




※石川side※


綾はきっとあの場面を見て、誤解しているだろう…


いったいどんな顔で俺を待っているのか……


少し緊張してノックし入って行った俺に綾は満面の笑みで“先生”と呼んだ



大の病院嫌い医者嫌いの綾は、どんな時でも少しドキドキした表情で俺を迎え入れるのに今日は正反対だ…

それに……

どんなに明るく喋ってもその目は、泣いた目である事は直ぐに分かった…
俺は綾が目撃した事について話そう…そう思ったのに綾はそれ以上言うなと言わんばかりだ。


だから俺はそれ以上言わず、病室を出てきてしまった。





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