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先生…お願い。早く治して・・・

第14章 涙の告白

綾は石川に肩を抱かれ、向かった先は院長室だった。

「さっ、中に入って」

そう促され中に入った綾だったが…
その足もすぐに止まった。

『…ぁっ……。』
思わず口に出たその先には

院長室のソファーにくつろいでいる司馬がいた……。


司馬もすぐにそれに気付き一瞬目が合った。
彼女の目は涙で腫れていた。

どこまで話したのかは分からないが、石川が彼女にある程度話したのだろうと推測した。




石川は、ちょっと呆れ顔で司馬を見ると…

「おいっ、まだいたのか?」



“ わりぃ〜な、せっかく入れてもらったコーヒーだからなっ!味わってたよ!帰るよ……。”


もう俺の患者ではない…。



司馬はスッと立ち上がり、綾へ視線を向けることなく出口へと向かった。
そして綾の脇を通り過ぎようとした時、司馬は綾の肩へそっと手を置くと



“ 頑張れよ。”




一言だけ言って通り過ぎた。




『えっ?…………、せ、先生っ!!…』

咄嗟に呼び止めた…。



“ なんだ?”



そう言って振り返り、綾を見つめる司馬の目はとてもクールで、怖かった。


『あっ…、、え〜っと……』



“なんだ!用が無いなら帰るぞ!”



『先生………、ごめんなさい…。私、、先生に嘘を……。本当はあの時痛かったのに、つい大丈夫って…。ごめんなさい…』




司馬は綾に近くと、


“ ばぁ〜か、あれで俺を騙したつもりか!そんなのお見通しだ!それに俺を騙すのなんて100年早いんだよっ……。 ”



『ご…、ごめんなさい…。』



“特別許してやる、その代わり…、石川にちゃんと診てもらえ!いいなっ!俺と違ってこいつは優しい。安心しろ”


そう言って、頭をポンポンっと叩くと

“じゃぁな!!”

そう言って、司馬は院長室を出た。


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