
先生…お願い。早く治して・・・
第63章 なんて事してくれたんだ!!
“大丈夫だよ、ゆっくり深呼吸しよっ”
『先生…っ、もッ…ヤッ……ッだぁ…ッ…』
綾の蜜部に挿入されているであろう治療器に繋がる線は一つの大きなマシンに繋がっていた。
その機械のモニターには残り時間と思われる時が残り6分数秒と刻まれている…
この状態で6分も?おいおい、どう考えても無理だろう…
兄貴は一体こんな状態の綾ちゃんを置いて…何処に行ったんだよ…
俺は悩んだあげく、そのスイッチを止めた…
“綾ちゃん、もう大丈夫だよ。安心して、ゆっくり深呼吸しよう。”
スイッチが止まり、ようやく先生の声が頭に入って来た…。綾ちゃん?…石川先生はそんな呼び方をしない。
そもそも、先生は治療を途中で止めるような事はきっとしない。
もしかして…伸先生?
