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先生…お願い。早く治して・・・

第64章 伸先生がいるのに…治療再開


伸はただ、見ていることしか出来なかった


綾は背後から自分の足を押さえる石川先生の腕にしがみついた



『んぅ〜ぅぇッ…んぁぁ〜せんせぇ…せんせぇ〜もうヤダ…やだよぉ〜…離して…やめてっ…お願いやだぁ〜っ…』




さっきと同様に嗚咽で呼吸がままならない程苦しそうなのが見て取れる

閉じない様に上から押さえる石川の手にも力が入る



「よしよし…綾、偉いな…。。ごめんな、辛いな。辛いけどもう少しで終わるから、もうちょっとだけ頑張ろうなっ…」



伸は綾の歪んだ泣き顔にしか目がいかなくなっていた…


幾ら何でも可哀想過ぎる…


俺は堪らず

“兄貴……、……”

そう言いかけ兄貴の顔を見て、言葉を失った…

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