
先生…お願い。早く治して・・・
第69章 記憶喪失
先生は気にする事も無く、私の下腹あたりを優しく触ると、
「ここ、痛くない?」
所どころその手に少し力を加え尋ねる…
『大丈夫です…』
「うん、良かった。もういいよ。」
潜り込ませた手を引き抜くと、乱れた服を整えてくれた
『あの……なんでお腹なんですか?それに…胸も…。私、頭をぶつけたって聞いたのに…。』
「そうだよね。身体の調子も落ち着いたし、ちゃんと説明しないといけないね。」
説明…?なんか嫌な予感しかしない…
私、なんか悪い病気なの?
心の中でぐるぐると悪い事だけが頭をよぎる
「先生これから、他の患者さんの所にも回診に行かないといけないから、後で時間作るから」
