テキストサイズ

先生…お願い。早く治して・・・

第17章 お願い側にいて




石川は周囲の視線を遮るように、ベットの周りのカーテンをぐるっと閉めた。



そして、綾に視線を向けると、

「ごめんね朝から出掛けてたから、回診にも来れなくて」

と、申し訳なさそうに話した。



綾は小さく首を横に振った。



「治療時間までまだ結構あるから、今の状態だけでも知っておきたいと思ってね。昨日より痛いだろ?」


『……。』
綾は首を横に倒し、ん〜、どうだろう…。と曖昧な態度だ。


そんな綾の曖昧な態度に

「ごめん。ちょっとだけ触るよ」


そういうと、服の上から下腹部を軽く押した。


『ん"んっっ…っ』

反射的にビクンッと跳ね上がり
苦痛で顔を歪ませた。


カーテンの外にいた宮田にもその声は聞こえていただろう。



この状態を見た石川は、医者嫌いの綾が不安にならぬよう優しく問いかける


「まだ治療していないんだ。だから、昨日より痛くて当然。ただ、こんなに痛いんじゃ、夜まで我慢出来ないよな…」


先生は心配そうに綾の顔を覗き込んだ。



しかし、そんな心配をよそに綾は

『先生、大丈夫。全然我慢出来ます』

と笑顔で答えた。




だが、石川にその偽物の笑顔は通用しない。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ