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第3章 彼女

「君は…?」

「忘れちゃったんですか?ご主人様。恋奈の事…」

「嘘…だろ?」

「良かった、見つけて貰えて。御主人様の登録内容、いい加減だったから恋奈じゃ見つけられなかったの」

「ってか、何で?あれはゲームで、君はゲームの中のキャラで…」

俺は一気にパニックに陥った。

「立ち話もなんだから、何処かに場所を移しませんか?」

そう言って恋奈がにっこりと笑う。

やべぇ。

超カワイイっっっ!!

俺は恋奈をチャリの後ろに乗せると一目散に自分のアパートに向かった。

コンドーム有ったかな?

っておいおい。

そんな事しか考えらんねーのか、俺。

取り敢えず、部屋に上がって貰ってペットボトルからお茶を注いで出す。

彼女は『頂きます』と言ってコップに口を付けた。

恋奈は一息吐くと、彼女が知ってる限りの話を教えてくれた。

『調教DOLLS』はゲームアプリとなっているが、実は出合い系のアプリで、ゲームのキャラクターとして出てくる女性は全て実在する。

登録している女性は、男性に調教されたい願望の有る者達であると言う事。

「嘘だろ?小学生とか居たぞ!?」

「最近の小学生って進んでますよ?メイクだってしてるし…」

「恐るべし小学生…」

「ですよね───?」

表示されるステータスなんかは彼女達に取り付けられたマーカーや特殊なカメラで(サーモグラフィとかそんな奴らしい)コンピューター解析しているらしい。

「私の調教度が上がらなかったのは、ご主人様が優し過ぎたからですよ?」

「でもさぁ、ずっとゲーム続行になってたら、どうしてたの?学校もあるし、家族も心配するだろ?」

「そうですねぇ…。私は大体3日目に逃げ出す様にしてるから…」

「何だよ、最初からそのつもりだったのか…」

「ごめんなさい。でも、ご主人様のところにはもっと居たかったんです。もっとご主人様にエッチな事、いっぱいして欲しかったの…。でも、実際に私にエッチな事をするのはご主人様じゃなくて、事務所の人とかが道具を使ってするだけし…」

「じゃあ、事務所の人とかを好きになっちゃうんじゃないの?」

「中にはそう言う人もいるかも…でも、結局、事務所の人はご主人様の命令で動いているだけだし…。だから私にとっては、画面の向こう側のご主人様の方が恋愛対象かなぁ」

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