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第3章 彼女

「それで、何で俺と君は出逢えたんだろ?」

「うーん…?詳しい事は良く分からないけど、ご主人様と私の行動範囲が重なっていたからだと思います。スマホの電波って近いアンテナに繋がるでしょう?候補者って、大体同じエリアに居る人が表示されるみたいです。ほら、出逢い系だから、近くの人を斡旋してるんじゃないかな?」

「そう言うもんなのか?」

「恐らく…ですけどね?」

「それとさ、放置するとキャラが死んじゃうのって、俺どうなのかって思うんだけど…」

「アレは作り物ですよ?」

「そうなの?」

「そう事務局の人が言ってました」

「なら良いんだけどさ…」

本当にそうなのか?

あんなリアルでグロテスクな物を作る奴がいるのか?

って俺は本物の死体を見た事がある訳じゃないし、よく分からんけど。

「死んでしまうと言う設定は寄りリアルに世界観を味わって欲しいのと、罪悪感を持って貰いたいって事らしいんですけど…」

「でも、逆にそれを見たさに放置する奴も居るからさ…」

「そこなんですよねぇ。中には私達が弱って行くのを見て喜んでいる人も居ますからね」

「何それ。マジきちだろ、それ」

「その点、ご主人様は本当に優しかったですよね。ちゃんとしたご飯を食べさせてくれたし、ちゃんと三食与えてくれたし」

「当然だろ?」

「でも、中には残飯ばかりを与えて来る人も居るんですよ?あ、残飯に見えるちゃんとしたご飯何ですけどね」

「君らもよくやるよなぁ。まだ、登録してんの?」

「ご主人様のところを逃げ出した後、その足で登録を抹消して貰いました」

「そっか、良かった」

「それでですね…ご相談なんですけど…」

「え!俺君を囲うお金ないよ?」

「お金じゃないですよ!もう!」

「じゃ、何?」

「私を彼女にして下さいっ!」

「えっ!」

「駄目ですか?彼女さんいらっしゃるんですか?」

「いや、居ないけど…」

「ですよねー?居たらあんなアプリでしつこくエッチしませんよねー?」

「ちょっ!言い過ぎ!お仕置きだな?」

「あ~ん!ご主人様ごめんなさい~」

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