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第14章 捜索

「え?針を『ぶっ刺す』って?」

「この尖っている方を上に向けて、頭の方をこの筵に刺すんだよ。一辺が28本になるようにね」

俺が疑問をぶつけるとハナさんは手本を見せながら説明してくれる。

俺はそれを真似しながら、筵に針の頭を刺していく。

「ちゃんと立つように刺すんだよ?」

注意を受けながら、全部で108本の針を筵に刺すと、ハナさんは針の内側に笹(それとも竹か?)を立て、そこに注連縄を張って行く。

そして四隅には盛塩を置いた。

「何でこんな事、するんですか?」

俺はハナさんの作業を手伝いながら、何気なく尋ねる。

「あの子の魂を探す為にハルの身体がこれから抜け殻になる。他の悪い霊が入り込まない為だよ」

成程、そう言う訳か。

「ハルの身体は良い霊も悪い霊も吸い寄せる。結界を張る事で、一時的にそれを遮断する」

「でも、所長も自分の身体に戻れなくなるんじゃないですか?」

「それは大丈夫。あたしが居るから」

「え?でも、ハナさんて霊感ないんでしょ?」

「うん。ないね。だけどハルだけは分かる。見えないけど、何故か感じるんだ。双子だからかな?」

所長が準備をするのを見守りながら、ハナさんが驚きの事実をカミング・アウトする。

「えっ!?ハナさんと所長って双子何ですか!?」

「何、その反応?二卵性だもん、似てなくて当たり前」

「いや…。そうですか…ははは…」

「何よ?アンタ、あたしとハルの性別が入れ替わった方がいいんじゃないかとか思ってんでしょ」

そう言ってハナさんが横目で俺をギロリと睨む。

心の中を見透かされて俺はギクリと身体を震わせた。

怖っ!!超コワっ!

俺は乾いた笑い声を上げながら、素直にハナさんに謝る。

「ははは……。すみません」

「別に。いつも言われてるから。唯、ハルの前では言わないで。地雷だからね。アンタの身が危ない」

確かに…。

身長の事とか、綺麗だとか、そう言うのに敏感に反応するよな。

所長って。

キレそうになるのを止めるのがハナさんの拳。

所長ってハナさんの言う事だけは、大人しく聞くもんな。

まぁ、双子であろうとなかろうと、ハナさんの方が上なんだからかも知れないが。

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