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離れられないふたり

第4章 危険な遊び

まことに続いて店内に入ると、そこには見たことのない世界があった。

女性のヌード写真集やアダルトビデオなど、あいりには初めて目の当たりにするものばかりだった。


「旦那さん、持ってないの?」


びっくりした表情で店内を見回しているあいりに、まことが耳元で囁く。


あいりはそれに背筋がぞくぞくして、身体が震え上がった。

「な…ないです、多分…」


「隠してるだけだと思うけど、俺は。あっ、これこれ」


大きく首を振るあいりに、まことは箱に入った商品を差し出す。


「これ…ですか?」

そんなに大きくない箱に描かれていたのは、肩叩きに似た機械だった。
『お手軽に使える!電気で動くマッサージ器』
とパッケージに書かれている。


「これが…『電マ』なんですね」


あいりはまじまじと見てしまっていた。

「でも、マッサージ器なら18歳未満でも使えると思うんですが…」


「マッサージする場所によるよね。木野さん、これ、どこに使ったら一番気持ちいいか知ってる?」

「え…?」


と言うまことの目は、別人のようだった。
涼しげなのに、どこか熱い、密かに何かがくすぶっているような印象を受けた。

「…ま、旦那さんにでもおねだりしてみたらいいんじゃない?」


「はあ…」


「木野さん、旦那さんとはあんまりしてないの?結婚してるのに…」


「してるって…?」

お店を出て、車に乗ると、まことはそんな質問をしてくる。理解できなかったあいりは、聞き返してしまっていた。


「エッチしてないの?って聞いたんだけど…」


悪戯っぽく笑いながら答えるまこと。
真っ昼間、運転中にもかかわらず、とんでもないことを言いだすまことに、あいりは驚かされる。


「それは…」


ふと、その時のことを思い出してしまい、あいりは真っ赤になっていた。


「可愛いね、木野さんは。前からずっとそう思っていたけど、中身もすごく可愛い…」


いつの間にか、まことは人気のない公園の駐車場に車を停めていた。

「や…っん…」


あいりの下唇に触れた後、まことはそっとキスをし、舌先で唇を刺激する。
あいりがびっくりして唇を薄く開いた瞬間、そこに舌をねじ込ませ、口腔内を蹂躙した。

大人のキスは、ゆういちのそれよりも激しく、あいりは身体が熱くなっていく感覚を覚えた。

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