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離れられないふたり

第5章 覚醒する体

ゆういちのいない時に会う約束をしたまことにいきなり告白され、恥ずかしい姿を晒してしまった昨日。

今日もまた、そんな思いをしてしまいそうで、そんな時、自分はどうしたらいいのかと考えてみたあいりだったが、答えは出なかった。

まことから到着の連絡が来ると、あいりはドキドキしながら玄関を施錠し、外に出る。


「おはよ」


「おはようございます」


切れ長の瞳と目が合い、あいりは赤くなる。


「もうエロいこと考えたの?」


「ち…違います…!」


「冗談だよ。木野さんって本当に純粋で可愛いね」


まことはあいりの頭を撫でる。


「仕事の後が楽しみになるよ…」


車を降りる時、そう言ってまことは笑っていた。


あいりは仕事中もまことがレジ前を通る度にどぎまぎしてしまい、あまり仕事に集中できずにいた。休憩時間もたまたま同じ時間になってしまい、離れて座っていた。
まことは携帯をいじっていて、あいりのことは一切見ていない。

あいりは、ちらりとまことの指を見てしまっていた。
今は携帯に触れているスラリとした指。
あの指が昨日、自分に触れていた、自分の中に入っていた、と思うと、ドキドキしてしまう。


(この後、またああいうこと、するのかな…)


そう思うと、何故か身体が熱くなる。


(あぁっ…わたし…なんか変っ…)


股間に熱が集まっていく感覚に、あいりは戸惑う。
そんなあいりの姿を、まことは横目でちらりと確認していた。
俯き、頬を赤らめてもじもじとしているその姿に、まことは興奮していたりする。

「木野さん、大丈夫?具合悪そうだけど…」


まことはわざと、声をかけていた。


「あっ…、だ…大丈夫ですっ、もう少しで退勤だし…」


あいりは必死に平静を装う。


「そう…」


潤んだ瞳がまことを更に興奮させたが、まことはいつもの淡々とした、クールな自分を保っていた。
一方、あいりはその後ずっと、身体の疼きと戦うことになった。

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