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離れられないふたり

第1章 出会い

「どうぞ」


男性と共に事務室を出たあいりは、男性に案内され、彼の白い乗用車の助手席に座っていた。


「本当にありがとうございます。あの、お名前は…」


「葉山まこと。木野さんは下の名前、なんて言うの?」


「あいりです」


「そうなんだ。うちも近所みたいだし、よろしく」


「こちらこそ、よろしくお願いいたします」


150センチの小柄なあいりから見て、まことは背が高く見えたが、長身の大松や夫のゆういちに比べると、少し小柄に感じた。
180センチ、85キロで日焼けした肌にがっちりとした夫とは違い、色白でスラリとした細身なまことは、話し方も落ち着いて、見た目は同じくらいに見えたが、実は年上なのかもしれない、という印象を与えていた。

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