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離れられないふたり

第7章 追い風

「次に逢えそうな日にちわかったら教えて。俺も連絡するから」


「は…はい…」


「それじゃあ…」


まことに自宅近くまで送ってもらったあいり。
ゆういちが帰ってくるまでにはもう少し時間があったが、気づかれないよう平静を装うために家事に集中することにした。

そんな時、たまに会う高校時代からの友人から携帯に着信が入る。


「あいり、大変だよ!さっきあんたの旦那さん、女と腕組んで歩いてたよ!!写メ撮ったんだけど、送ってもいい?」


「え…あ…うん…」

あいりは驚いた。
驚いたが、悲しい気持ちにはならなかった。
むしろ、自分だけじゃないのかもしれないという気持ちになり、安堵感がこみ上げてきた。


送ってきてもらった画像には、ゆういちが見知らぬ女性と仲むつまじそうに歩いている姿が映っていた。
あいりよりも背が高く、パンツスーツが良く映えるモデルのようなスタイルで、見知らぬ女性だった。


「明らかに付き合ってる感じだったよ。あいり、証拠押さえて離婚した方がいいよ!!私、知り合いにそういう調査やってる人いるから紹介するよ!!」


友人はあいりを心配しいろいろと話をしてくれたが、あいりはそれに対してすぐ答えを出せずにいた。
とりあえず少し考えさせて欲しいと友人に頼むと、あいりはまことに相談してみようと思った。

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