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離れられないふたり

第7章 追い風

『旦那さんが他に好きな人がいるみたいです。
友達が教えてくれて、知り合いに調査できる人がいるから調べてもらって証拠押さえて離婚した方がいいと言われました。
私は自分まで調べられないか心配でどうしたらいいかわかりません。
画像ももらったので送ります』


画像つきでメールを送信すると、しばらくしてから返信が来る。


『自分までは調べられないでしょ。でも、頼む間は用心した方がいいかもしれない。あと旦那に気づかれないようにもしないと。明日、詳しく話できる?』


『はい、大丈夫です。明日はお休みなので旦那さんが帰ってくるまでなら空いてます』


『じゃあ15時くらいに…』


会う予定ではなかったが、あいりはまことが仕事を終えた後、職場近くのコンビニで落ち合う約束をした。

その後、ゆういちはあいりが夕食の支度をしている最中に、残業になったという連絡をいれてきた。
あいりはそれに動揺しないよう対応すると、いつもの残業の時同様に夕食を準備し、お風呂の準備もした。
準備しても、夕食は朝食として食べ、お風呂は翌日追い焚きにしていたが、それを変えたらゆういちに気づいたと知らせてしまうような気がしたからだ。

急遽まことに会えることになった喜びよりも、あいりはいつもの状態を作り上げることに神経を集中させていた。

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