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離れられないふたり

第7章 追い風

翌朝、あいりはいつものようにゆういちと接するようにし、出社していく姿を見送った。


「今日も残業かもしれない」


ゆういちはそう言って家を出ていく。
そういえば、去年から残業が増え、そんな時はいつも夜中に帰宅していたような気がした。

あの画像を見た今、そんな時はいつも会っているような気がしてしまう。

あいりは、それまでしたことがなかった、ゆういちの机を調べるという行為に及んだ。

すると、ハガキサイズの黒いプラスチックケースの中いっぱいに、画像の女性の写真があった。
中には裸の写真やゆういちの雄を愛撫している写真など、過激なものまで入っていた。
写真には日付があり、一昨年には既に交際していると思われた。


(ゆういちさん…どうして言ってくれなかったの…?)


もし、その時点で言ってくれていたら、自分はまことと出会っても何の問題もなかったのに。


何枚かを携帯のカメラモードで撮影して保存すると、あいりはゆういちに気づかれないよう写真を元通りにした。

いろんな感情が交錯して涙が出た。

けれど、これではっきりとした答えが出た。

ゆういちとはまことの存在を気づかれずに離れること。
まことが許してくれるなら、まことのそばにいることを選ぶこと。

あいりはそう決断した。

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